下見と彼女(妄想に対する妄想作品)
今日は近くのお祭りに来ている。
といっても、今回の目的は遊びに来たわけじゃなくてあくまで下見。
普段は彼にプランとか決めてもらってるから(まあ仕組み上しょうがないんだけど)、たまには私の方でリードしたいなって思った。
彼はいつもデートの時頑張ってプラン立ててくれてるので、その分今回もしっかり準備しなきゃと思って下見に来た。
下見だから別に普段着でもよかったんだけど、せっかく新調して試しに着ておきたかったので浴衣で来てしまった。
------
どんな出店があるかなと周りを見ながら、展望が良さそうなところを探す。
すると鳥居が見えてきたところで視界が開けてきた。
「ここならよく見えるかな」
「でも神社までの通路にもなってるし、時間になったら人でいっぱいになっちゃうかも」
「もうちょっと探してみよう」
と、そこから移動しようとすると見覚えのある人影が目に入った
「墨ちゃん...?」
それは墨ちゃんだった。
可愛らしい浴衣姿で、その隣には男性の姿があった。
仕事(デート)中かな?
まあこの時期だし、お祭りデートしたいってお客さんも多いわよね
ふと、そのデート相手が気になった
普段は同僚のお客さんについて気にすることはないけど、その時なぜか気になっていた
その相手に注目したら、誰だかすぐに分かった。
「...」
彼だった。
そして墨ちゃんはその彼の服をつかんだままうつむいている。
...顔を真っ赤にしながら。
......
......
...別に、変なことじゃないし。
大方、仕事でお祭りデートがあるから墨ちゃんがその練習をしたくて彼がそれに付き合ってる、とかそんなところでしょ。
別に変じゃない。
変じゃ...。
と、そんなことを考えている間に二人の姿は見えなくなっていた
......。
......。
「...ばーか」
その場でLINEを開いてメッセージを送ると、そのまま下見を再開した
------
墨ちゃんとの練習デートを終えスマホを開くと、LINEの通知が来ていた。
"一ノ瀬ちづる : あなた、明日予定ある?二人で行きたいところあるんだけど。"
そういえば、明日は花火の打ち上げがあったような...
おしまい
―2021.07.25投稿
コメント
しろさん(https://twitter.com/si_ro_77)の妄想大会前夜祭の作品読んで書きたくなってしまった作品
その前夜祭作品はこちら
http://sironuri77.livedoor.blog/archives/10367551.html
デートの下見としてこっそり一人で祭りに来ていたちづる
相手はもちろん和也
探していたのは花火がよく見える場所
二人で花火を見たかった
その最中まさかの和也と墨ちゃんを目撃
墨ちゃん顔真っ赤にしてるしちょっといい感じに見えてちづるが嫉妬、
たまらずすぐ誘いのLINEを送る
しろさんの作品では墨ちゃん和也側しかなかったけど、この時のちづる側の話が無性に書きたくなった
本番のお祭りデートも書いてもよかったけど、あんまり思いつかなかったので断念