焼き魚と彼女
「そういえばあなたっていつもお魚キレイに食べるわよね」
「そうか?」
「だって、食べられそうなところほとんどなくなってるし、骨とかきちんと取ってるし」
「それでいてほぼ形崩れてないし」
「あ、ありがとう」
「...でも、その辺ちょっと意識してるんだ」
「へぇ、どんな風に?」
「なんていうかさ、」
「養殖されてたにせよ漁獲されたにせよ、この魚も元々生きてたわけじゃん?」
「その命が最終的に料理として俺たちの前にやってきてるわけだから、誠意をもってしっかり食べないとこの魚にも失礼かなって思ってて。」
「...なんかアクアリウムずっと続けてたらこういう事も考えるようになって」
「ははは...」
「......」
「ちづる?」
「...ぷっ」
「あははははっ」
「?!?!」
「ホント、あなたってどんだけお魚好きなのよっ」
「そんな先生みたいなこと言っちゃって!」
「あははは」
「べ、別にいいだろ」
「ごめんごめんっ」
「バカにしてるわけじゃないの。むしろすごく立派な考えだと思う」
「...でも和也の口からそんなこと聞けるとは思わなくて...あははっ」
「ほっとけ」
「じゃあ今度から骨取るのとかあなたにお願いしようかなっ」
「お、おう任せとけ」
「ははは!」
―2021.07.24投稿
コメント
満足度197の和也の魚ネタがツボのちづると、僕自身そこそこきれいに食べる方(だと思ってる)なので思いついたネタ
ツボるよりは真剣に聞きそうではあるので、少ししっくりできていない部分もある
この後なぜか妄想大会前夜祭の流れになった